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アパート経営の失敗例5パターンと成功に導く4つの対策を解説
「アパート経営に興味はあるけど、失敗するのが怖い」という人は多いのではないでしょうか?
『アパート経営 失敗』で検索すると「破産」や「負債」「騙された」などのワードも見られます。
今回は、私が実際にオーナー様からご相談を受けた、アパート経営の失敗例5パターンと、失敗例から見えてきたアパート経営を成功に導く4つの対策をご紹介します。
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目次
アパート経営の成功・失敗とは?
そもそも、アパート経営における失敗とは何を指すのでしょうか?
アパート経営を始める目的は、人によってさまざまで、キャッシュフローを得ることが目的の方もいれば、子供に資産を残すことが目的の方もいます。
目的と方法によって、アパート経営で得られるものは異なるため、一概に「キャッシュフローが出ないから失敗だ」「売却益が出なかったから失敗だ」というわけではありません。
ここでは実際に私がご相談を受けたオーナー様の【当初の目的】【結果】に注目して、失敗事例としてご紹介いたします。
- 失敗事例1:融資期間が短すぎる
- 失敗事例2:サブリースの破綻
- 失敗事例3:購入3ヶ月後に修繕費300万円
- 失敗事例4:メンテナンス不足が招く不利益
- 失敗事例5:融資返済ができない!最悪のケース
以下で詳しく解説していきます。
失敗事例1:融資期間が短すぎる
Kオーナーの目標は、『最終的には3棟購入して、3人の子供に1棟ずつ相続すること』。
ご相談いただいた際には、すでに1棟アパートを運用中されていました。
Kオーナーは若いころから借金を一度もしたことがなく、1棟目のアパートを購入する際にも、「借金は早く返してしまいたい」と考え、出来るだけ短い期間で融資を組んだそうです。
短期間で融資を組むと、そのぶん月々のローン返済額も大きくなるので、返済期間中は実際に手元に残るキャッシュフローがかなり少なくなります。
Kオーナーは1棟所有しているにも関わらず、キャッシュフローは年間10万円。
退去が重なったり、設備の交換が必要になったりしたときは、貯金から持ち出して対応しているとのことでした。
1棟所有がゴールであれば問題ないのですが、Kオーナーの目標は3棟所有。
一般的に、1棟目の収支が回っていない(利益が出ていない)場合は、銀行はその物件を負債とみなすため、2棟目の融資審査が厳しくなります。
結局、Kオーナーは数年間資金を貯め、多額の自己資金を投入してなんとか2棟目を購入されましたが、3棟目の購入まではかなり時間がかかりそうです。
Kオーナーの例は、融資の組み方を間違ったゆえに、目標達成が遠のいた失敗事例と言えるでしょう。
複数棟の所有を狙う方は、2棟目以降に融資を好条件で受けやすくするためにも、1棟目の融資期間は長めにとって、しっかりキャッシュフローを取れる組み立てで購入されることをおすすめします。
失敗事例2:サブリースの破綻
Iオーナーは親から相続した土地を有効活用するために、その土地にアパートを建てました。
相続した土地は田舎でしたが、「建築と管理どちらもやっているアパート業者が、建てた物件をサブリース契約で管理するから、安定的な家賃収入が入る」との話だったので安心して建築を決めたといいます。
最初の4年間は順調に経営ができており、アパート経営という選択に満足していたそうですが、問題が起きたのは5年目のこと。
管理会社から賃料見直しの提案がありました。
管理会社いわく、「周辺の家賃相場が下がってきて、Iオーナーの物件も実際は半分のお部屋が空室です。入居を付けるためには家賃を見直す必要があります。
当初の契約書にも、『2年ごとに家賃の見直しを行う』って書いてあるでしょ。」とのこと。
管理会社の言う通りに賃料を値下げすると、Iオーナーの手元に入ってくる金額では収支がマイナスになってしまいます。
しかし、サブリースを辞めると半分のお部屋は空室なのですから、家賃収入はさらに少なくなってしまいます。
どっちに転んでもマイナス…というわけです。
Iオーナーの失敗事例には、明確な失敗の原因があります。それは「サブリースをしないと経営が成り立たないような土地にアパートを建ててしまった」こと。
アパート経営では入居需要が要ですので、サブリースという甘い言葉に騙されずに、きちんとオーナー自身が市場を見極めて判断する必要があります。
失敗事例3:購入3ヶ月後に修繕費300万円
「中古アパートで痛い目を見たので、今度は新築アパートを買いたいです」とご相談に来られたAオーナーの事例です。
当時20代だったAオーナーは、自己資金も潤沢ではなかったので、価格がお手頃で、利回りは高い中古物件に狙いを定めて物件探しをされ、ほぼ全財産を投じて築20年の利回り8.5%の木造アパートを購入されたそうです。
購入物件は、利回りが高くキャッシュフローも取れるため、3年間で自己資金分のお金は回収できる計算でした。
しかし、購入から3ヶ月後に、あろうことか雨漏りが発生しました。築年が経っていることもあり、屋根の防水工事など大規模修繕費300万円が必要な事態に。
「こんなの不良品だ!」と売主に文句を言いたいところですが、中古物件の売買の場合は、売主が個人であれば「売却後の瑕疵担保責任を一切負わない」旨を契約で定めてあるのが一般的で、購入後に見つかった瑕疵(雨漏りなど)は買主の自己責任です。
入居者がいるので雨漏りを修繕しないわけにもいかず、Aオーナーは泣く泣く親戚からお金をかき集めて、修繕費用を支払ったとのことでした。
中古物件には価格が安い・利回りが高い・実績があるなどのメリットもありますが、Aオーナーが直面したようなデメリットもあります。
メリット・デメリットをきちんと把握し、自分に合った物件選びをすることが大切です。
失敗事例4:メンテナンス不足が招く不利益
物件の購入→売却を経験されたことのあるMオーナーからお聞きした失敗事例です。
Mオーナーは、10年後あたりに売却することを前提に考えており、住んでいるところからは離れていても、将来資産価値が上がりそうなエリアを選定して物件を購入されたそうです。
管理は地元の管理会社にお願いし、購入後は物件を見に行くこともなく慎重な物件選定の賜物か入居も安定し、順調に経営をされていたと言います。
10年近く経ち、そろそろ高く売れそうなら売却を考えようかと物件を販売にかけたところ、問合せは入っても現地を見て辞退されるケースや、大幅な値下げを求められるケースが続きました。
理由を聞いてみると「築年数のわりに物件が汚すぎる」といいます。
共用階段や廊下、外壁、エントランスは築年が経つにつれ、雨風でどうしても汚れていきます。
Mオーナーは管理会社に管理を任せていたので、掃き掃除や電球交換などは行っておりましたが、「どうせいつかは売却するから」と、管理会社に提案されるプラスアルファの特別清掃や高圧洗浄などは断ってきたそうです。
物件の汚れは色素沈着しますので、汚れが軽度なうちに手をかければ、清掃費用も数万円で済むものも、汚れが重度になると張り替えや交換などで数十万円とかかるケースもあります。
結局、Mオーナーは購入希望者の「汚れがひどいため300万円値引きしてほしい」という要求を呑んで、物件を売却されたそうです。
相場の高騰もあり、購入時よりは高く売れて儲かったとのことですが、「こまめにメンテナンスをしていれば、もっと高く売れただろう」と話しておりました。
失敗事例5:融資返済ができない…!最悪のケース
アパート経営を始める前に最悪のケースを知っておきたいという人もいるのではないでしょうか。
私は、実際にこのケースに陥ったオーナー様に出会ったことはないのですが、もし万が一空室が続いたり家賃下落が著しかったりして、想定していた家賃収入を得ることができず、ローン返済が滞ってしまった場合、アパートオーナーはどのような事態になってしまうのか…実際に融資担当の銀行マンに聞いた話をまとめてみました。
銀行がお金を貸すときには、物件に抵当権を設定します。
抵当権とは、オーナーがローン返済をできなくなったときに、銀行が物件を競売にかけて売却し、その売却益をオーナーより優先して受け取れる権利です。
この通り、オーナーがローン返済をできなくなった場合は、銀行が抵当権を実行して、物件は競売にかけられます。
この時、オーナーの意向と反して、銀行は「少しでも高く売却しよう」とは思っていません。
高く売れなくてもいいから、早く物件を現金化して、お金を貸したけど返してくれない疫病神のオーナーとは手を切りたいわけです。
そのため、競売にかけられる物件の価格は、市場の相場よりも安くなります。
しかし、オーナーとしては、せめて融資残高よりは高く売却できないと競売の後も借金が残ります。
その後の銀行側の対応としては、「早く手を切りたいから、それ以上は追いかけない」「マイホームや給料の差し押さえの可能性もある」など様々な意見があり、ケースバイケースのようでした。
どちらにせよ、こうなってしまうと、せっかく投じた自己資金は失い、ブラックリストに載って次の融資も受けられず、「アパート経営で資産形成・資産運用をしたい」という目標は今後も実現しにくくなるでしょう。
失敗してしまうと取り返しのつかないことになり得るアパート経営ですが、その一方、自分でリスクコントロールができるところもアパート経営の特徴です。
不動産投資・アパート経営で失敗しないための注意点をまとめた記事はこちら
アパート経営を成功に導く4つの対策
先にご紹介した5つの失敗事例を踏まえて、アパート経営を成功させるためにどんな対策があるのかを確認していきましょう。
アパート経営を成功させるために取りたい対策は、次の4つです。
- 対策1:目的に沿った物件を選ぶ
- 対策2:リスクを想定し組み立てる
- 対策3:空室リスクの低い物件を選ぶ
- 対策4:信頼できる管理会社を選ぶ
以下で詳しく解説していきます。
対策1:目的に沿った物件を選ぶ
例えば、中古物件と新築物件、それぞれにメリット・デメリットがあります。
どちらが良いとは一概に言えず、あなたの目的や状況によって、ベストな選択は変わってきますが、まずはそれぞれのメリット・デメリットを客観的に把握することが大切です。
中古物件は価格が安く、利回りが良く、入居の実績があるなどのメリットがありますが、一方で修繕費のリスクが購入後すぐついてまわったり、空室が思うように埋まらなかったり、売却がしにくかったりといったリスクもあります。
反対に、
新築物件は中古物件に比べて価格が高く、利回りは低く、入居付けもこれから…というリスクがありつつも、融資を長く組める、最初は修繕費が少ないためキャッシュフローを貯めやすい、売却がしやすいなどのメリットがあります。
これらをネットや本でも学ぶのも良いですが、「結局、どちらが良いのか分からない」という方は、最近はオーナー主催のセミナーもありますので、中古物件を持っているオーナー、新築物件を持っているオーナーにそれぞれ話を聞いてみることもおすすめです。
先輩オーナーの目的を聞き、あなたと一緒の目的でアパート経営をしている人を見つければ、自ずと選ぶべき物件は見えてきます。
対策2:リスクを想定し組み立てる
「ローン返済中はキャッシュフローがゼロだけど、返済後は年間300万円入るから、老後の年金代わりになる」「やってみないと分からないからキャッシュフローは少ないけど、とりあえず買ってみる」このような声はよく聞きますが、私は全力でお止めしています。
収支計画の段階からキャッシュフローが少ない、もしくはマイナスなんていうアパート経営はリスクが大きすぎるためです。
収支計画の安定度合いを測る方法として、私が目安にしているのは損益分岐点です。
損益分岐点とは、物件全体でどのくらいの空室がでたら赤字になるかという指標のこと。
アパート経営では入居者様の退去は必ず起こることですし、場合によってはそのタイミングが重なったり、退去の時期が引っ越しシーズンからずれて、次の入居が決まりにくかったりする場合もあります。
ただ、きちんと需要のあるエリアで差別化された物件であれば、1つの部屋がまるまる1年空いてしまうなんてことはても考えにくいため、私は「まるまる1年間、1戸空いてもマイナスにならないこと」をひとつの基準にしています。
このように、許容できるリスクの範囲を定め、その基準に基づいてファイナンスの組み立てを評価する方法はおすすめです。
対策3:空室リスクの低い物件を選ぶ
上で「空室リスクを想定してファイナンスを組み立てる」旨をお伝えしましたが、同時に「いかに空室リスクを回避できるか」というところもアパート経営を成功させるうえで重要なポイントになります。
需要のあるエリア・立地・間取りを選定することももちろん必要ですが、物件数も増えている今、それだけでは競合物件のなかで勝ち続けることは難しくなってきていることも事実です。
空室が続いてしまった場合の対応策としては、家賃を下げる、リノベーションをする、最新の設備を導入する…などの方法が考えられますが、どれもオーナーにコストがかかります。できることなら、家賃を下げたり、最新設備の設置費用をかけたりしなくても入居の付く物件を、購入時に選択できるのがベストですよね。
そのためには、エリア・立地・間取り・設備のスペックに甘んじず、それ以外の部分で周辺の物件と比べて差別化することが有効です。
例えば、「女性専用物件」や「ペット共生型物件」などは分かりやすい例です。
「女性専用物件」の場合、入居ターゲットは全体の約半分に絞られてしまいますが「女性だけの環境で安心して暮らしたい」と思っている人は、どんなに周辺に物件があっても、この物件を選びます。
「入居ターゲットを絞るのは、より空室リスクが高そうで怖い」と思われるかもしれませんが、同じような立地、同じような間取りの物件であれば、入居者は安い方を選びます。
つまり、入居してもらうには家賃を下げざるを得なくなるわけです。
このことから、空室リスクの低い物件を選ぶ基準として、立地や間取りだけでなく、周辺の物件と比べて差別化できているかどうか、将来的に家賃下落競争に巻き込まれる心配がないか、という視点も必要です。
対策4:信頼できる管理会社を選ぶ
失敗事例として「メンテナンス不足が招く不利益」をご紹介しました。
この場合は管理会社からメンテナンスの提案があっていたにも関わらず、オーナー様がそれを突っぱねていたため起こってしまった失敗談でしたが、管理会社によっては提案することを面倒くさがって、必要なメンテナンスの提案をしてくれないところもあります。
特にオーナーが物件から遠方に住んでいる場合は、こまめに物件の様子を見に行くこともできませんので、いかに信用できる管理会社を選ぶか、というのは重要なポイントです。
管理会社は運用の途中で変更はできるものの、会社によっては違約金が発生したり、引継ぎに何かと手間がかかったりと、あまり良いことはありません。
できることなら最初から信頼できる管理会社と付き合えるのがベストですが、その見極めはなかなか難しいですよね。
アパート経営のプロでなくともできる、管理会社の見極めの方法が2つあります。
1つめは、すでにその管理会社が管理している物件をいくつか回ってみて、汚れが放置されてはいないかなど、メンテナンスのレベルを見て回るということです。
失敗例でご紹介したMオーナーの事例のように、管理会社はキレイにしたくても物件のオーナーが拒んでいるケースもあるので、1件で判断せず、数件見て回って判断されると良いでしょう。
2つめは、管理会社が管理しているエリア内の、賃貸仲介業者へヒアリングをしてみることです。
入居者にお部屋を紹介する賃貸仲介業者は、様々な管理会社の物件を把握していますので、「あの管理会社の物件はキレイ・汚い」ということを知っています。
実際に自分で物件を見て回るのは大変だという人には、第三者のプロの話を聞ける、有効な手段でしょう。
ただし、管理会社のなかには賃貸仲介業も営んでいるところが多くあります。グループ会社の悪口は言わないでしょうから、客観的な意見を聞きたいのであれば、尋ねる業者は選んだ方が良さそうです。
アパート経営の失敗例と成功のための対策まとめ
ここまで、アパート経営の具体的な失敗例5パターンと、同じ轍を踏まないための成功のための4つの対策をご紹介しました。
これからアパート経営を始める方はぜひ、先人の失敗の原因を学び、成功に役立ててください。
初めてのアパート経営では、分からないことだらけで当然です。ぜひ、当ブログで知識を蓄えて、あなたのアパート経営を成功させてくださいね!
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